融資申込に際しては様々な書類が必要です。
@借入申込書(これが無ければ始まりませんね)
A決算報告書3期分
B企業概要書
C定款の写し(初回取引の場合)
D法人の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
E納税証明書
F試算表
G見積書、請求書等
H法人の印鑑証明書
その他、事業計画書や会社案内。
担保となる、不動産の登記簿謄本、取引先との契約書、注文書、売掛金明細書、受注工事明細書、許認可証、関連会社の決算書等。
もちろん、この他にも、金融機関から提出を求められたものがあれば準備します。
そして、しっかりと準備をする必要があるのが「事業計画書」です。
事業計画書の作成
財務内容が健全で金融機関側から、「融資は必要ないですか?」と言われるような場合は別にして、資金繰りの厳しい企業が融資を受けようとする際には、実際に金融機関に提示するかどうか別にして、経営者の方自らがしっかりとご自身の事業を説明できるように「事業計画書」を作成します。
事業計画概要書
この事業計画概要書とは、事業の概要を文章でまとめた書類です。
例えば、新しい設備を入れるのに、「1,000万円」が必要だとします。
融資の申込で、設備資金融資希望金額「1,000万円」。その根拠を示す見積書等に基づいて記入します。
そして、この設備を入れることで、事業がどのように展開し、どのような効果(売上増、経費削減等)があるのか示します。
運転資金であるならば、同じようになぜこの金額が必要なのかを根拠を示せるように文章化します。
新規出店であるなら、その新店舗での事業展開の説明が必要でしょう。
実行してもらう融資金をどのように使い、売上を伸ばし、経費を削減し利益を確保していくのか。これらの具体的施策を示し、返済原資となるキャッシュフローがどれ位出るのかを、「数字」で示します。
作成のポイントは、「数字」で示す。その数字の根拠を具体的、かつ明確に文章化するということです。
5か年損益計算書
融資を受けることで、今後どのように事業収益が推移していくのか、中期的な展望を示すものが「5か年計画書」です。
融資を実行する金融機関は、この5か年計画書を融資稟議書の添付書類として使用します。
融資先の企業が、将来的に成長していけるのか、安定的に返済をして行けるのかを判断する必要があるからです。
この5か年計画書作成にあたっては、「事業計画」「売上計画」「経費計画」「人員計画」等、企業のありとあらゆる計画をまとめて、将来の展望を落とし込むことが必要となります。
事業計画概要書と整合をとりつつ、返済財源を出し続けなくてはいけません。
資金繰り表
現金預金残高の推移を示すもので、過去の実績を示す「資金繰り実績表」と、今後の資金繰りの見込みを示す「資金繰り予定表」」とに分けられます。
融資の現場において重要なのは、「資金繰り予定表」です。過去の3か月分と、将来の9か月分程度の資金繰り予定表を組み合わせたものがスタンダードなタイプと言えます。この資金繰り表に基づいて、資金の流れの管理が出来るようになります。
損益計算書との違い
よく社長から言われるのが、「税理士さんから作ってもらった損益計算書と、この資金繰り表、ちょっと違うのはなぜ?」と。
税理士さんに作っていただく「損益計算書」は、「発生主義」に基づいて作られています。一方、資金繰表は「現金主義」で作成されます。
例えば、「売上があがり、売掛金が発生した場合」を考えてみましょう。
この場合は、損益計算書の上では、「売上」として計上されます。
一方で、「資金繰表」の上では、売上がいくらあがっていっても、現金が動かない限りは「0」です。実際にお金が動いた時点でその数字を計上します。
支払についても、例えば、支払手形を切った場合を考えると、「損益計算書」の上では、その切った日に数字が動きますが、「資金繰表」上では、実際に支払が行われてた日に数字が動きます。
つまりこの「資金繰表」を見ることで、事業計画を具体的にリアルなお金を動きを把握することが可能となります。
具体的に考えてみると、売上が順調に上がっている企業があったとします。
順調に売上を伸ばしていけた理由として、支払いまでサイトの長い売掛を用いていたことが挙げられます。
ところが、売上の入金よりも前に、次の取引の仕入が必要になってきます。
入金の前に支払のサイクルになってしまっていることが、資金繰り表から見て取れます。資金繰りが苦しい状況で、いわゆる、運転資金を多く準備する必要がある状態です。
このことは、損益計算書上からは、単純に利益が出ているようにしか見えません。
資金の動きがリアルに見える、だからこそ、「資金繰り表」は出来るだけ正確に作成する必要があると言えます。
金融機関取引明細表