「資金が足りないので、融資をお願いします」と、金融機関に話を持ち込んでも、金融機関は何をもとにその融資の可否を判断するのでしょうか?
以下の6点をおさえて、相談・申し込みをすることで、審査の取り扱い、判断のスピードは確実にあがるでしょう。
融資担当者が見る6つのポイント
融資をする金融機関、つまり、貸し手からすれば、「一体、幾ら必要で、何のために使うのか?どうやって返してくれるか?もし万が一の時は?」
と考えるのは、当然でしょう。
あなたがお金を貸す立場であれば、「はい、分かりました、お貸ししましょう」とはならないですよね?
必要金額
「とにかく、借りらるだけ借りたい」「うちは、いくらまで借りられますか?」
と相談されることもありますが、これでは金融機関はまず融資はしてくれません。
「これこれ、こういった理由で、お金が必要です。」「いくらいくら足りないので、融資をお願いできますか」と具体的な説明ができて、初めて融資のテーブルに上がれます。
つまり、融資を申し込む際には、何故その融資が必要なのか?お金の使い道を説明できることが、大変重要なポイントとなります。
そこで次の「資金使途」というわけですね。
資金使途
お金の使い道は、必ず聞かれます。一体何のために使うのか?
これが不透明だと「本当に事業の為に使うのか?」となります。
融資を受けるお金の使い道は大きく分けて2つ。
「運転資金」「設備資金」です。
「運転資金」とは、商品や仕入の支払い、人件費、諸経費等いわゆる、日々の営業で出費されていくお金です。
「設備資金」とは、事務所・店舗等の建物、内装設備、機械設備、車両、パソコンなどを購入するためのお金です。運転資金と比べると、見積書やカタログを提示することで価格が客観的に判断できるので、その使い道を示すことは難しくありません。
「運転資金」は多くの場面で使われるので1つ1つ使い道を示すのは大変かもしれませんが、「運転資金に使います」としただけではやはり融資は下りないと言えます。
人件費であれば、雇用契約書、給与明細等、仕入代金であれば請求書等、数字の根拠となる資料を準備しておくべきでしょう。
返済財源
借りたお金を、どこから返すのかというポイントです。
キャッシュフローで説明をした通りですね、売上から仕入原価、経費等をひいた利益から、さらに税金を払って残ったお金にキャッシュアウトを伴わない減価償却費等をプラスした金額が返済金額を上回っていれば、一応「返済できる」という判断になります。
事業計画書で、損益計画でキャッシュフローを確保できていなければなりません、資金繰り予定表が必要であれば、返済金額を算入して「返済できる」となっていなければ、「返済見込み無し」と判断されます。
長期の融資を計画している場合は、「事業として利益がでる」という計画になっている必要があります。
保全の有無
保全とは、「担保」「保証」のことを言います。
万が一、返済が出来なくなった場合に備え、金融機関はリスクヘッジを目的として担保、保証人を求めます。
不動産に抵当権を設定したり、連帯保証にを付けたりと言った具合です。
中小企業の経営においての融資では、経営者保証(社長自身が保証になること)は、原則必要だと考えてください。
最近では、経営者保証ガイドラインが運用されるなどで、見直しの動きもありますが、やはり社長自身は保証人になってください、という流れは続くと思われます。オーナー社長ではない、「雇われ社長」であっても連帯保証人として要求されます。
担保に関しては、不動産に限らず、預金、売掛金、在庫等も担保足り得ます。
「信用保証協会」による保証も、保全の1つです。
返済期間
1年以内に返済するものを「短期融資」、1年以上に渡り返済するものを「長期融資」と言います。運転資金の融資の場合は3〜7年、設備資金の場合は5〜10年位の返済が一般的です。
返済期間の長短は金融機関にとっては、リスクの大小に影響します。返済期間が長くなれば、金利は高くなり、期間が短ければ下がると言った傾向になります。もっとも、制度融資の様に期間が予め設定されているような融資は、期間の長短を交渉する余地はほとんどありません。
資金繰りの実情と相談しながら、金利と期間とを上手くすり合わせて交渉しいきます。
金利
返済期間が長くなると金利設定は高くなりますが、返済期間が長くなると毎月の返済、資金繰り自体は軽くなります。
利息負担を軽くすることに重きをおいて期間を短め設定しても、その金利負担の差はそれほど大きくありません。月々の資金繰りから考えるならば、やはり長期での借り入れにした方が経営は安定すると思われます。
金利設定の目安は、2%台なら普通でしょう。4%を超えると高いな、1%を切ってくるなら、安いなといった感じです。