「信用保証協会」とは、大企業に比べて担保力や信用力が劣る中小零細企業や、創業者等の資金調達の円滑化を目的として設立された公的機関を言います。各都道府県に1か所と、横浜・川崎・名古屋・岐阜の全国で計51か所あります。
業歴が浅い、決算内容があまり良くない、保証人の資産的背景が弱いなどの理由から、銀行のプロパー融資を受けらない企業に対して、信用保証協会が保証を付けることで、それら中小企業の資金調達を可能にする役割を担います。
中小企業との関係
実は、「信用保証協会」のことをよく知らない経営者の方は非常に多いと思われます。
なぜか?
銀行さんと融資の話がまとまった時に、「今回は、信用保証協会付けます」と言われても、「はい、お願いします」で終わってしまって、信用保証協会と直接やりとりをすることが少ないからかもしれません。
実際、手続き上も銀行さんが書類を準備してくれて、銀行さん経由で保証協会にという流れがほとんどでしょうから無理の無い話かもしれません。
近年は、信用保証協会のHP上から積極的に情報開示をしているので、是非、お近くの信用保証協会のHPにアクセスしてみてください。
全国信用保証協会連合HP
利用の流れ
全国51か所、どこの保証協会を利用するのか?
原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる、もしくは、創業する予定があること。つまり、事業実態があることが最低限必要です。法人の場合は、本店所在地が東京であっても、横浜に支店・営業所があるような場合では、東京都の保証協会、神奈川県の保証協会、さらには横浜の保証協会を利用することが可能です。事業実態のある場所での保証協会を利用できるということです。
個人事業主の場合は、事業所の場所はもちろんですが、事業主の住所地の管轄保証協会で利用可能です。千葉にお住いの事業主の方が、東京で事業をしていれば、千葉・東京どちらの保証協会でも利用できます。ただし、2か所使えるからと言って、保証の枠が2倍になるわけではありません。
信用保証協会を使える会社
企業であれば、どんな所でも信用保証協会を利用できるわけではなく、規模によって、また一部業種によっては、利用できない企業もあります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業等(建設・運送・不動産業含む)
ゴム製品製造業(自動車又は航空機タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く |
3億円以下
3億円以下 |
300人以下
900人以下 |
卸売り業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業・飲食業 | 5千万以下 | 50人以下 |
サービス業 |
5千万以下
5千万以下 |
100人以下
200人以下 |
医業を主たる事業とする法人 | ー | 300人以下 |
上の表で、「資本金」又は「従業員数」のどちらかの要件を満たせば、信用保証会を利用できます。
個人事業主の場合は、「資本金」がありませんので、従業員数の要件を満たすことで利用可能です。
また、要件に合致した業種であっても、反社会的勢力である場合には利用できません。
保証限度額
中小企業・個人事業主にとって非常にありがたい、信用保証協会ですが、一体上限いくらまで保証付けをしてくれるのか?
信用保証協会の保証限度枠は1企業(法人・個人)、2億8千万円です。組合の場合は4億8千万円。
この保証限度枠の内、無担保で利用できる限度額が8千万です。さらにこの内の1,250万円までは、無担保・無保証での保証枠です。