資金調達,金融機関,政策金融公庫,制度融資

資金調達の基礎を学ぶ

「資金を調達する」と言えば、その代表的な方法は、金融機関からの融資でしょう。
でも、それだけはありません、他にもいくつかの方法があります、見てみましょう。

中小企業様向け主な資金調達手段

資金調達手段    特 徴
間接金融(融資)

・政府系金融機関からの融資
・信用保証協会付きの融資(自治体制度融資も含む)
・民間保証会社の保証付き融資
・銀行・信金、信組のプロパー融資
・ノンバンクからの融資

直接金融

・中小企業投資育成株式会社からの出資
・ベンチャーキャピタルからの出資
・エンジェル(個人投資家)からの出資
・少人数私募債を使った資金調達

助成金・補助金

国や自治体、財団等が給付している返済不要な資金、多くの省庁や団体が制度として用意しており、その数3,000ともいわれる。
補助金は、要件が厳しい面もあるものの、助成金は受給資格がそろえば、高い確率で給付を受けられる。

現実的には、「融資」と「補助金・助成金」を使っていくことになるでしょう。

資金調達の要

資金調達の方法は「融資」だけに限らず、さまざまな方法があるのですが、中小企業における資金調達の要は「融資」と言えます。

大きく分けて、「公的融資」「民間融資」の2つがあります。

「公的融資」

日本政策金融公庫等の「政府系金融機関による融資」や、信用保証協会による信用保証の付く融資や、自治体で独自に用意をしている「制度融資」がありす。

日本政策金融公庫

2008年10月に、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、国際協力銀行(国際金融業務等)の4つ機関の統合により設立された政府系の金融機関です。
「国民生活事業」と「中小企業事業」とあります。
中小企業の経営者の皆さんの中には、「創業時」に国民生活事業にお世話になったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
国民生活事業は、創業間もない企業や、年商規模5億円程度までの企業が主に利用する公庫です。民間金融機関における銀行の融資金利と比べると、低金利、固定金利で融資の実行がされるメリットがあります。2020年3月現在の利率は、無担保融資で2.16〜2.35%、有担保融資の場合には1.21〜2.00%と非常に低金利設定です。
また、「マル経融資」と言われる、無担保・無保証で融資を受けられる制度もあります、こちらは、商工会議所や商工会等に経営指導を受けている企業様がご利用いただける制度です。
中小企業事業は、国民生活事業と比べて、取引企業の規模は大きくなります。年商規模が5億円を超える様になってきたら、お取引をする機会があるかもしれません。
ただし、融資を受けるには、「審査」があり、ある程度の企業規模と良好な財務内容が求められます。
この審査は厳しいもので、中小企業事業から融資を受けているという事実は、御社の信用力を高めるものでもあります。

日本政策金融公庫の利用方法

日本政策金融公庫へ融資を申し込む際の手順は、特に難しいことはありません。
公庫の支店に、所定の「借入申込書」と「企業概要書」を持参、もしくは郵送で提出です。公庫のホームページより、「借入申込書」がダウンロードできます。
その他の必要書類は、個人事業主の場合は、申告決算書直近2期分。
法人の場合は、履歴事項全部証明書、直近2期分確定申告書、決算書、最近の試算表が必要になります。
なお、政策金融公庫と既存の取引が無い場合は、企業概要書の提出を求められます。
会社案内やパンフレット等があると良いですが、公庫さんの企業概要書のフォームがシンプルにまとめられているので、シンプルに回答してしまいがちです。
が、ここは丁寧に書き込んで、御社のセールスポイントや今後の展開も示し、自己(企業)PR の場として、積極的に活用しましょう。

 

「企業概要書」「資金計画書」等、
必要書類の準備は当事務所にお任せいただくことも可能です。

制度融資

「制度融資」とは、自治体と信用保証協会と金融機関の三者協調により、中小企業の資金調達の円滑化を図るための融資制度です。
創業期においてのみ利用できるものや、女性限定のもの、シニア向けのもの、自治体によって様々な制度が用意されています。横浜市、川崎市にも独自のものがありますし、東京23区においても特徴のある制度が用意されています。
共通して言えることは、中小企業が銀行、信金、信組から通常の融資よりも低利での融資が受けられるような制度であるということです。
信用力の小さい中小零細企業や、創業者が、比較的低金利で融資を受けることが可能となる融資制度であり中小企業の資金調達手段としては、絶対に外せないものです。

民間融資

プロパー融資

政府系金融機関から融資を受ける、「公的融資」に対して、銀行や信用金庫、信用組合といった、民間の金融機関から融資を受けることを言います。
これが、「プロパー融資」と呼ばれています。
公的融資に比べると金利は高めの設定になります。一方で、信用保証協会の保証枠の影響を受けることが無く、融資限度額の設定も無い等、融資実行に際しての自由度は高いと言えます。
銀行が「融資します」と言ってくれさえすれば、「融資してもらえる」のです。

 

何より、銀行から融資を受けるには、それなりの準備も必要です。
特段難しい準備は不要ですが、「融資してください」と突然の申込をしてみても、一朝一夕にはできないということです。まずは、少額、短期のものからお付き合いを始めて、徐々に実績を積み上げて、銀行との信頼関係の構築に努めます。
そういった、1つ1つの積み重ねによって、初めて大きな長期のプロパー融資を引き出すことができるようになります。

 

当事務所は、御社と銀行とのリレーション構築に精一杯のお手伝いをいたします。

ビジネスローン

信用保証協会の付かない融資ですから、プロパー融資の1種なのですが、銀行としては「ビジネスローン」という枠で、プロパーとは別物ととらえているようです。

 

会社の決算書の内容をコンピュータに入力することで、「融資の可否」「貸付可能額」「金利」「返済額」などが瞬時に計算され、審査期間は約3日と、回答が早いのが最大の特徴です。
このシステムが導入されたころは、貸付残高も相当伸びましたが、粉飾決裁が横行するなど、モラルハザードが起こり、貸し倒れ率もあがりました。
その結果、現在では審査も厳しくなり、以前のように簡単に融資をしてもらえるというものではなくなっています。
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直接金融

中小企業経営者様にとっては、利用するにはややハードルが高い直接金融と言えます。
借り手と貸し手とが、「直接」資金を融通する方法です。
代表的なものは、証券取引ですね。
企業が債権や株式等を発行し、投資家がこれらを購入することによって資金を直接調達する方法です。
確かに、ハードルは高いのですが、直接金融によってメリットを受けることができる場面を想定してみましょう。

企業創業期における直接金融

創業融資を受けた後の創業1〜3期目位の企業には、まだ実績も少なく、融資を受けるにはハードルが高いと言えます。創業1期2期と言うのであれば、起業時の融資残高もほとんど減っていないでしょうし、追加融資を受けることはやはり難しいと思われます。
このような事態にある時、直接金融を利用して資金の調達をすることができれば、事業の拡大のチャンスを逃すこともなく、順調に企業を成長させていくことができるかもしれません。
事業が軌道に乗りかけ、創業期から次のステップに入るために、「まとまった資金が必要」という段階にあれば、直接金融の手段を考えるべきです。

業歴の長い企業における直接金融

決算内容が必ずしも芳しくなく、既存の融資残高が財務面において重しになっている場合、やはり、新規の融資を受けるのは、難しい局面と言えるのではないでしょうか。そんな状況において、ビジネスのチャンスうかがう社長に「新しいビジネスモデル」のアイデアが浮かんだとしたら、当然、新規ビジネスにたいして投資をしよう。融資を受けようと考えるはずです。が、企業の財務内容は前記の通り・・・折角のチャンスをものに出来ない、大きな商機損失と言わざるとえません。新規出店構想にしても、同じことが言えるでしょう。

 

直接金融は中小企業様にとっては、ややハードルが高い資金調達方法であるとはいっても、実際に資金調達をすることができれば、企業の成長を促進させることができる場面があることも事実です。
では、そんな時にどうするのか?
親族、知人、友人からお借入することも直接金融としては有効な手段ですが、「少人数私募債」という社債の一種を発行することで、資金調達の手段とすることが可能です。
「少人数私募債」について、質問する。
直接金融は、銀行に頼らない資金調達手段として有効活用することが出来れば、企業の成長、資金調達力の向上につながります。

補助金・助成金

「補助金」と「助成金」と、何が違うの?
何となく言葉としては聞いたことのある、「補助金」「助成金」。
「うちの会社で使える補助金とか、助成金ないの?」と感じる経営者の方も多いかと思います。
両者に明確な区別がある訳ではありませんが、「助成金」は厚生労働省の管轄によるものが多く、「補助金」は経済産業省等、厚労省以外の官公庁、自治体、民間が扱っているイメージです。

補助金の特徴

新商品の開発や、新技術の研究を行う企業、異業種への進出をして新しい事業をこれから展開していく企業等、いわゆる革新的なことを行う会社を補助する制度です。
1件あたりの受給金額は、数十万円から1千万円以上のものまであり、助成金と比べると金額が大きいのが特徴です。
多くの制度が、「公募」の形をとり、要件を満たしたものについて、さらに厳しい審査を行い、この厳しい審査をパスすることで、初めて給付される金銭です。
得られる金額も大きいですが、その分、時間と手間がかかるということを忘れてはいけません。
「補助金」の申請をお考えであれば、専門家に依頼することで、手間を大幅に省くことが可能でしょう。

助成金の特徴

一方、「助成金」はどうでしょうか?
「補助金」の場合とちがい、要件を満たすことさえできれば、受給できる確立がかなり高いです。
厚生労働省が管轄している「助成金」については、雇用保険料を財源としているため、労働者を守るための労働環境の改善、雇用関係の改善等を推進することが、多くの「助成金」支給の要件に挙げられています。
1件あたり、数万円〜数十万円と金額は大きくはないですが、複数の助成金を併給申請することで、まとまった金額を受給することも可能ですし、年度毎に更新される助成金にアンテナを張っておくことで、毎年度受給し続けることも可能でしょう。
要件にはまりさえすれば、受給できるできる確率は高いので、資金繰りにおいては大きな助けになります。

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